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2.12018
コーヒーに感謝!お返しできることはない?国際協力機構JICAに行ってきた
(写真はJICAのフェイスブックページより)
コーヒー恩返し活動のきっかけはインドネシアで出会った人の優しさ
去年5月に行ったインドネシアコーヒー農園の視察。
そこで忘れられなかったのは、ガイドのボビーさんをはじめ、農園主のボーイさん、スマトラ最大手のコーヒー商社パワニの社長さん、そこで働いている人たちの優しさでした。
大抵海外に行ったら何か嫌な思いをしたり、トラブルが起こったりするものです。
でもこの視察の時は、そんなことは一切なくてただただ現地の人たちの優しさに感動することばかりでした。
(左からパワニ秘書さん、私、パワニ社長、ガイドのボビーさん)
(コーヒー農園主のボーイ・カメルーンさん)
(豆の選別をするパートさん)
例えば、
・オールド・クロップという何年も前から熟成させて、円熟した美味しさがある貴重な豆をプレゼントしてくれる
・お家に招いてくれて手作り料理をご馳走してくれる
・朝5時のフライトに間に合うように、わざわざ空港まで送迎してくれた(サービスだよと言って)
などなど本当に書ききれないくらい、たくさんの優しさをもらいました。
日本では慣れていないこの優しさに感動したのを、今でも思い出します。
普段コーヒーの仕事をしていて忘れてしまいがちですが、各国のこのような人たちによって毎日美味しいコーヒーを飲むことができてます。そしてコーヒーの販売やカフェということを仕事にできているのも、コーヒー生産国の皆さんのおかげです。
「インドネシアでもらった優しさを、ちょっとでもお返しできないかなぁ」
と思い始めた昨年末。
当店は小さなコーヒー屋だから、それ程大きな貢献は難しい。。。
でも小さなことでも何かやれることはないかと思って、まずは国際協力機関JICAに問い合わせしてみました!
そしたら「草の根技術協力事業というのがありますよ」と教えてもらい、早速その研修に参加してきました。
コーヒー生産国の現状は?
コーヒー生産国はなかなか経済的に厳しい国が多かったりします。インフラが整っていなかったり、内戦が行われていたりする国も少なくありません。
ただ僕が見に行ったインドネシアの北スマトラ(マンデリンG1とかで有名)でコーヒー産業に携わっている人達は、それ程経済的に苦しそうな印象は受けませんでした。
でも仕事の内容はなかなか大変。豆を選別するパートの女性達は、1日6〜8時間働いて月給3万円くらい。(インドネシアの平均月収も3万円らしい)
こんな様子です↓
一個一個手作業で豆の大きさや等級で仕分けて、虫食い豆などを欠品豆を取り除いてくれています。
これを続けるにはかなりの根気がいりそう。。。。
経済的なサポートが必要なコーヒー生産国もあるだろうし、そういった支援もしていきたいなーっと。
でもまずは、インドネシアの人たちにもらった優しさを少しでもお返しできるように、経済的な部分も含めて何かアクションしてみたいというのが今回の研修参加の目的でした。
JICAの「草の根技術協力事業」って?
「NGOや民間の団体が開発途上国などの生活改善や生計向上のために行う協力事業」という感じです。
ポイントは「建物を立てる」とか「井戸を掘る」とか「寄付をする」という形じゃなくて、そこに住んでいる人の生活が向上するために技術的なサポートをすること。
コーヒーだったら例えば、
・質の高いコーヒーの育て方を伝える
・害虫対策の方法を伝える
なんかが技術協力に当たるかと思います。
この研修では渋谷区にあるJICA東京で朝9時半〜18時まで1日を通して
「問題点の明確化」「どのような技術支援が必要か?」「具体的にはどのような活動に取り組むか?」
という計画を立てる方法を学びました。
研修で得たものは?
1日の研修でしたが、たくさんの学びがありました。
・ロジカルシンキングで問題を解決するための技術
・チームを組んで、協力するために必要なこと
普段の仕事と違って、たくさん頭を使う内容だったけど新しい発見はたくさん。
何よりもよかったのは、普段出会うことのない人たちと出会えたこと。
そこには日頃から様々な国で支援活動をしている人たちが集まっていました。
・ホンジュラスの100人程の小さな村で、「人間的な生き方とは何か」を教える支援をしている人
・トルコで遺跡発掘に携わっている人
・紛争解決論を学びながら、難民の支援をしている人
などバラエティー豊かな人達と話をすることができました。
そこで感じたのは、「世界には自分の知らない様々な問題がある」という不安と
「それを本気で一生懸命解決しようとしている人たちがたくさんいる」という心強さです。
普通に生活していては聞けないような話を聞けたり、知らない世界を教えてもらえるのはすごくよかった。
そういった人の話を聞けたことで、漠然とした「コーヒーに恩返しするために何かやりたい」という気持ちが、少し明確になったように思います。
まずは小さな一歩から
この草の根技術協力事業は、最大3年のプロジェクトになるようです。
すぐに現地に行って3年がかりのコーヒー恩返し活動をすることが難しくても、まずは何か始めてみることが大事!
どんなことでも小さな一歩から始まるということを忘れずに、少しずつコーヒーからもらった優しさや人の繋がりをお返しできる活動を進めていきたいと思います。